About Us
I. The Impulse
衝動と身体
すべては、「本当に欲しい服がない」というシンプルな衝動から始まりました。 キャリアの出発点は理学療法士として、人体の構造を深く学び、多くの身体に触れてきました。 私にとって、身体や布地を「触る」ことは、創造のために最も重要な情報源です。 手触りという触覚こそが、私の創造への衝動をダイレクトに駆り立てるのです。 目の前で形となる服には、無数の人々の経験と知恵、そして私の手の技が込められています。 私が生み出す服には、無数の命の重なりがあるのです。
II. Global Materials and The Search
素材と探求
制作が深まるにつれ、日本の業務単位(一反売り)では素材の選択に限界を感じ、パリへ布地の買い付けに行くようになりました。
しかし、今の私を真に魅了するのは、パリの問屋街だけではありません。
魂が宿る布地を生み出す、アジアを含めた世界中の国々です。
日本に生まれ、日本の文化を自然に受け継いだ私が、世界中で素晴らしい素材たちに出会う。
この豊饒な素材の流れこそが、私のインスピレーションの源です。
III. The Knot of Creation
創造の結び目
この素晴らしい素材と、私という個人の独習の技術、そして創造の衝動が出会う場所に、「結び目(Knot)」が生まれます。 この服作品がまだ見ぬ誰かと出会い、着られることで、新たな結び目が生まれます。 私と素材、そしてあなた(着る人)。 この三者の出会いが、今まで閉じていた関係を次々に結びつけていくのです。
IV. Beyond Westernization
モードの結節点
モードは西欧発の巨大な文化であり、その脈動は戦後の日本からタイ、そして東南アジアへと結びついてきました。 一見すると、これは発展という名の「西欧化」に見えます。 しかし、私は本質は違うと考えます。 西欧文化と日本の閉じた文化圏、あるいは東南アジアの文化圏が、グローバリズムや資本主義と出会う「結節点」には、それぞれの国が持つ魂が宿った新たな創造性が生まれつつあります。 合理化の波の中で、日本のものづくりが魂を失ったわけではないように、どの国も同質にはなりません。
V. New Contemporary Mode
新たなモードの誕生
世界中の「魂が入った素材」、私の「触覚」、湧き上がる「衝動」、そして「過去からのフィードバック」など、すべては独自のシステムとして存在しています。 これら独自のシステム全てが結び目を作ることで、新しい結節点が生まれます。 それが、私の服作品として結実していくのです。 ここに生まれる作品は、世界と日本と私とが結節した、最新のコンテンポラリーモードとして誕生します。 これは、世界の重層的な社会や歴史、資本の流れの「終着点」であり、同時に「出発点」でもあるのです。
Designer & Maker